「すぐに「いや」などと返す人に出会うと、よほど理屈っぽいのかこちらに反感を抱いていると思いがちです。でもそうではなくて、「自分の不安やおびえをこの人に見抜かれるのでは?」と思っているときに、人はそう言う態度をとりがちなのです」
-『切ない…-本の中のカウンセリング・ルーム-』香山リカ著 青春出版社 2002年 P86より-
今日は「ロールプレイ」の講座に出席してきた。
もう既に受講したことはあるのだが、学院長の浮世先生が実演してくださるということで再受講という形。
セミナーに良く行く方はご存知だと思うのだけど、例えば講演内容は一緒でも、講師の質が違えば講演の質も変わってくる。それは、話し手の人間性が言葉に“+α”を与えるからだと思っている。
そう言う意味では、カウンセリングやコーチングは特に、その人の人間性がダイレクトに出る気がするので、すぐに盗めるわけではないと思うが(テクニックは盗めるけど)、今の自分なら何か気づけることやちょっとした参考にできるものはないかという思いでレクチャーを受ける。
まずはお約束どおり“基本”の重要性から。
もちろんカウンセラーの個性を活かさないのは論外だが、「基本<個性」では、ただの“聞き上手”レベルで終わってしまう。確かに話は聴けているけれども、なぜか堂々巡りに陥って結局解決しないで終わってしまったり、アドバイザーになってしまったりするのは“基本”ができていないからということを心に留める必要がある。
そして、心構えとして「安定感を持つ」ことの重要性を説かれる。
クライエントは様々な問題を持ってくるので、中には自分が解決できない問題は沢山ある。
カウンセリングを学んで陥りやすい罠の一つは「どんな心の問題も解決できるはず」と思うことだそうです。そしてできない問題に対面した時、カウンセラーをあきらめてしまう人が多いとのこと。その裏側にある心理は“できるはず”という不安の裏返しの心理なのかな?カウンセリングは繊細な問題だから確かに完璧にこなせた方がいいけど、0か100かで考えると、自分を追い込んでしまう。全力を尽くしてもうまく行かなかった場合は、確かに自分の未熟さを痛感するかもしれないが、“今”はこれで良しとしようと、自分を“許容”することが大事とのこと。“受容”ではなく許容してその反省を糧に成長して欲しいとのことでした。クライエントに関してもリファー(上位カウンセラーへ委任)もできるし、SVからフォローしてもらうことで、アフターフォローをすることができると思う。
“今”の自分で関わろうとすることでのみ、安定感が生まれ、それが相手へ安心感を与えることになるとのこと。
会社などで練習も兼ねて、同僚に声をかけたりしている。聞き出すスキルはまだまだなので、専らポツポツ話し出した事柄をベースに話を組み立てつつカウンセリングをしている。
考えてみたら、これもある意味“今”自分にできることはそんなにないけど「話してくれるなら(反論せずに)聴いてあげますよ」というスタンスが相手に安心を与えているのかもしれない。だから、ポツポツでも聞き出せるわけだし。
最近は、リピーター(笑)も増えて少しづつでも上達しているのかなとは感じている。
もちろん、聞き出すスキルや、もっと簡潔にラポールを築くスキルを磨いたり、情報提供過多で依存を引き起こさないようにしたりと課題はまだまだ多い。
まあ、マイペースで。