「そもそもは、枝につながっていた葉っぱに過ぎない。独立して一時的に、
つまり死ぬまでの僅かな間だけ自由に移動できるけど、やっぱり、枝に密集して、
近くの葉どうし擦れ合っていたときの感覚が本能としてしっかり残っているんだよ」
「せっかく自由になれたのにね」
-『レタス・フライ』森博嗣著 講談社 2006年 P112より-
先週の土日は【
タントラへの目覚め 2DAYS】に参加してきました。
決して不純な動機で参加したのではありません!^^;
初めは参加する予定ではなかったのですが。。。
前回のダンスのワークが気分転換になったことも手伝い、その前々日
ウェルカムパーティに参加してきたのですが、その時にタントラについての軽いレクチャーをしてくださったラダの口から出た言葉は「箱を破りなさい」というものでした。
「自分の感情に素直になりなさい」という意味で仰ったようです。
自己欺瞞を意味する“箱”というのは、最近の自分のキーワードでもあったので、
何かのサインではないかと思い急遽2DAYSの参加を決めたというのが経緯です。
タントラというと、とかく“性”という一面がクローズアップされがちですが、
実はその前提にあるのが“自己探求”というキーワードです。
人の感情を表す言葉に“喜怒哀楽”という言葉があるように、私たちの中には怒りや哀しみを引き起こす“混乱・苦しみ・痛み・恐怖”というものがあるのを、無意識的に知っているのかもしれません。
自分の中のそれらと対峙する自己探求という行為は、とても勇気がいることだと思います。
もちろん、自分自身で自分の内面を見つめていくこともできます。
でも、“他人を通して”自分自身を見つめるという方法もあるのだと思います。
ユングは、私たちは誰でも“コンプレックス-無意識下の心のこだわり”を持っている、
と述べました。
そして、そのコンプレックスを意識するのが主に他者との関係性においてだと思います。
目の前のパートナーと真の信頼関係を結ぶためには、
まず“自分自身と”信頼関係を結んでいなければなりません。
全てのワークを通じて自分自身と向き合うのは正直とても辛かったですが、
自分がどういうコンプレックスを持っているのかを知ることや、
なぜ“箱”に入るのかを体感できたのはとても収穫でした。
タントラも「今、ここ」という概念をとても大事にします。
口で言うとは簡単に聞こえるのですが、現在において過去を受け止め、
未来においての“過去”である“今”に責任を持って生きる、
ということは勇気が必要になるのだと感じました。
タントラを経験して感じたのは、似て非なるものという感覚でした。
カウンセリングはカウンセラーが鏡になりクライエントの気付きを促しますが、
タントラはパートナーという“鏡を通して”自分を見つめる作業が多いです。
タントラは主導権が自分にある分、修行というニュアンスが含まれる気がしました。
本来はこの後に3泊4日のセッションがあったのですが、
この先は今の自分が目指すものと違う気がして見送りました。
人間としての観点でいえば、タントラは素晴らしい思想のひとつだと思っています。
でも、参加する前は偏見を持っていたことも事実です。
体感したからこそわかったことがあり、それが今後出会う人たち、
特にカウンセラーとして関わる人たちとの良い関係作りの助けになる気がします。
今回は好奇心もありましたが、ある種の怖さも感じていました。
本当に知らない未知の世界でもありましたから。
そういう世界へ飛び込む勇気を持てたこと。
その中で自分を見失わなかったことは良い経験になりましたね。